6月12日、アメリカのロサンゼルスでソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStation向けの新作などを発表する「PlayStation E3 MEDIA SHOWCASE」を開催しました。本記事では、今回新しくお披露目された新作を中心に、現地にてデモ展示が行われていたPlayStation VR(PSVR・プレイステーションVR)向けゲーム4タイトルとその後のE3会場でプレイした追加1タイトルのプレイレポートをお伝えします。
ARC ANGEL
『ARC ANGEL』は、コクピットに乗り込んでロボットを操作するアクションゲームです。
ゲーム進行に応じて機体が自動的に移動する方式ですが、コクピットに乗っている演出を挟むことでVR酔い軽減の対策がなされており、比較的に快適なプレーができました。
開発者に酔わなかったについて話したところ、VR酔いについての内容がデモを通じての調査したかったようでとても喜んでくれました。
内容としては、一般的なビームやロケットランチャーを駆使して敵を倒し進んで行くというもの。PS moveコントローラーを使ってFPS視点で左右別の照準を定めての操作となり、右手がレーザー弾、左手がランチャーと使い分けてがなされてます。その他、左右のアームともにシールドを出すことができ、敵の攻撃を防ぐことができます。
頭の動きに合わせてコクピットが、PSmoveの動きに合わせてロボットアームが連動して動きます。ロボットの動作に少しディレイがかかっており、ロボットを操縦している演出もしっかりとできていました。
特殊操作としてパンチで岩を壊して進む等の演出もあり、色々とインタラクティブな要素も考えられた作りになっていたところもポイントです。グラフィックやエフェクトがしっかりしているため、ゲーム内容こそありがちではあるものの全体レベルは高いと感じました。
近日発売予定、価格は不明。ミッション数はそこそこあり、数時間は楽しめるボリュームを用意しているとのこと。評判に応じて追加コンテンツも検討しているようです。
勇者のくせになまいきだ VR
人気のリアルタイムストラテジーゲーム『勇者のくせになまいきだ』のシリーズ最新作です。過去作ではゲームの舞台が地下でしたが、地上にできた後を描いたストーリーとなります。神視点でフィールド全体を見渡し、モンスターを配置しながら、対象のオブジェクトを破壊したら勝利というリアルタイムストラテジーゲームです。操作方法は通常のDualshock4コントローラーでの操作となり、コントローラー部分からでているレーザーを使うことで選択、配置等を行う仕組みとなってます。
マップを見る視点も複数パターン用意されており、フィールドを回転させながら好きなビューでプレイが可能です。モンスターの目の前まで頭を近づける視点も取れるため、ミニチュアモンスターが戦っている所を近くで見れる体験はVRならではの楽しい体験でした。
カメラをVR対応したコンテンツとなり元々のコンテンツも使えることから、他のVRタイトルに比べてコンテンツボリュームは多いことが特徴とのこと。
世界観に合わせてグラフィックやエフェクトもしっかりと作られており全体的な完成度は高い作品です。本作品のファンはもちろんのこと、まずはじめに手をだすVR作品としてもぴったりな作品だと感じられる一作でした。
TiNY TRAX
神視点でミニカーゲームを見ながら操作するレースゲームです。通常コントローラーを使って、アクセルとミニカーの向きを変える操作によって立体的なコースを進んでいきます。
向きを変えて進む毎にチャージがたまりブーストダッシュが使え、うまく向きを変えつつブーストを使うことでトップスピードを維持しながらコースを爆走することも可能です。
今回のデモでは3つのコースが体験でき、複数のミニカーと色が選べる形式でした。シンプルな作りだが、タイムアタックモードや、友達との対戦プレイなどでやりこみ度は高い作品となりそうです。
LEGION COMMANDER
テーブルボードタイプのストラテジーゲームです。操作はPSmoveコントローラーをレーザーポインタのように操作し、基本的にはトリガーを使うのみという簡単な操作になっていました。
モンスターを召喚しつつ、各種スキルでサポートをおこない、相手陣地を攻め落としたら勝利となります。後半になるとフィールド上にモンスターも増え、スキルも複数発動されるようになるため、派手な戦いと変化していきます。
今回のデモでは、ざっくりとした体験となり、細かい部分まで踏み込むことはできませんでした。ストラテジーゲームの場合戦略に深みをもたせるための要素である、各種ヒーローの選択や、モンスターの組み合わせ等々カスタマイズの部分が重要になります。今後に期待のコンテンツとなります。
発売時期、価格は未定です。
ROM: Extraction
360度全方位から敵が襲ってくるウェーブ型のシューティングゲームでPlayStationVR シューティングコントローラーを操作して敵を倒していきます。HTC Vive向けの『Raw Data』と同じようなプレイ感です。『ROM: Extraction』自体も既にHTC ViveとOculus Rift向けに配信されていますが、PSVR版では銃型のシューティングコントローラーを使う点が最大の特徴となります。
攻撃方法は、通常攻撃のレーザーと、特殊攻撃のボールでの攻撃の2種類を駆使して敵を倒します。
ボールは壁に当たることでスーパーボールのように跳ね回り、的に当たると大ダメージを与えられます。またボールは敵を倒す事で特殊ボールがゲットでき、様々な効果を持ったボールが登場する。詳しい説明はなかったため、デモ体験時には詳細な違いを把握することは難しかった。
内容はある程度単調な作りになっていたというた印象でした。グラフィックは世界観をしっかり作っており綺麗で、『Raw Data』を意識しているのか似たようなデザインとグラッフィクになっていました。
『グランツーリスモ スポーツ』
『グランツーリスモ スポーツ』のPSVR版を、E3のソニーブースで体験できたため合わせてレポートとします。
オリジナルのレーシング筐体を使ってのプレイとなり、VRと組み合わせることでゲームへの没入感はとても高かったです。
今回のデモでは、コースは2シーンの中で選択となり、シーンを選ぶと更に2コースのなか中から1コースを選択する形式となっていました。
コースを選ぶと朝から夜までの時間帯を選ぶこともでき、様々な環境でのプレイも可能です。
グラフィックはVRへの最適化のためか通常のモニターで観るよりは粗くなっていましたが、その分フレームレートは維持されており処理落ち等はありませんでした。
また気になった点として、体験したレーシング筐体はシート自体は動かず、振動等の仕組みもなかったため、何かにぶつかったときの反動などが無く、丘に乗り上げた際に画面自体は斜めになるが自分の体はそのままというような状態となってしまうため、酔いやすい作りとなっていました。
レーシングコントローラーと組み合わせてのドライブ体験自体はとても素晴しかったです。
ディスプレイでは絶対に体験不可能な世界がそこにあるため、機会があればぜひ一度体験したいVRコンテンツです。
以上でMEDIA SHOWCASE(+E3会場)での体験レポートは終了となります。一般配信をしてコンシューマー向けに出す作品というだけあり、すべてのコンテンツで一定のクオリティが担保されていると感じられました。今回のE3では、他にも複数のPSVRコンテンツの製作、発売が発表されており、ラインナップも充実することに期待できそうです。