基本無料のゲームエンジン「CRYENGINE V」発表。動作環境のテストツールの提供や開発者資金援助も

CRYENGINE

3月15日、ドイツのCrytek社は米国開催のゲーム開発者イベントGDC 2016にて、同社が開発するゲームエンジン「CRYENGINE」の最新バージョン「CRYENGINE V」をリリースしました。さらに価格を「ユーザーが払いたい分だけ」とし、基本無料から使い始めることができます。ダウンロードはこちらから(英語)。

https://www.youtube.com/watch?v=wcnrt1pX5XA

(CRYENGINEの使用例として、CrytekがGDC 2016で公開した映像)

CRYENGINEは、壮大な世界の表現や、繊細で美しいグラフィックが特徴的です。

今回Crytekは「CRYENGINE V」の使用料について、“Pay What You Want”というビジネスモデルを提案しました。これは0円から始まり、ユーザーが支払いたい金額だけ支払うというもの。いくらを選択しても機能の違いはなく、ロイヤリティ(売り上げの一部を支払う)も一切ありません。

同社はさらに、インディーゲーム開発者を支援する基金「The Indie Development Fund」を設立しました。今後3か月に1回のペースで志願を募集し、その度に選考を通ったチームへ資金支援を行っていくとのこと。第1回目の審査申込はこちらから、可能になるとのこと(申込締め切りは6月10日です。

またCRYENGINEの使用料の一部は、ユーザーの希望に合わせて最大70%まで、この基金へ寄付することもできます

CRYENGINE(公式HP、0ドルから好きな金額を選ぶことができ、何%を基金へ寄付するかも指定できる。)

これに合わせてCrytekは「CRYENGINE Marketplace」を開設し、開発に使える様々なアセットの販売を開始します。また、「Insider Memberships」という有償の特別カスタマーサポートも始まります。月50ドル・150ドルの2種類のタイプがあります。

さらにCRYENGINE Vは、VR開発にも対応し、PlayStation VR、Oculus Rift、HTC Vive、OSVRといったハードウェアで使用できると発表されました。加えてBasemark社と共同開発した「VRScore」というソフトもリリース予定。これはVR開発におけるPCのパフォーマンスを、使用HMDを問わずにテストすることができるものです。

CRYENGINE(CRYENGINE製、Oculus Rift向け『The Climb』)

ちなみに、今回紹介したCRYENGINE以外のゲーム開発エンジンとしては、UnityやUnreal Engineがあります。

Unityは機能制限のないパーソナルバージョンが公式HPより無料ダウンロードできます(その他全ての制約がないプロフェッショナル版は有料。)。

Unreal Engineは使用は完全無料で、開発した製品を販売する場合のみ5%のローヤリティを支払うことになっています。ダウンロードはこちらから。

また、Amazonは先月2月初頭に基本無料の「Lumberyard」というゲームエンジンを発表しました。これはCRYENGINEの技術をベースにしています。

様々なゲーム開発エンジンが登場しています。今後どんなコンテンツが開発されるのか、非常に楽しみです。

(参考)
Crytek Unveils All-New CRYENGINE V and Community-Centered “Pay What You Want” Model – Crytek公式ニュース
http://www.crytek.com/news/crytek-unveils-all-new-cryengine-v-and-community-centered–pay-what-you-want–model

新発表、レポートなどGDC2016関連の記事はこちらからご覧いただけます。

GDC2016特集

この記事を書いた人

  • 1tQ5TzRU

    工学専攻の大学生。好きな科目は国語。趣味は歌などの創作でボーカロイドも使います。SAOのような物語が引き起こす、自他の文脈や人と世界の関係の集積へダイブすることを切望して止みません。将来もVRの傍に立っていたいと思います。

    Twitter:@yunoLv3

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/