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テック 2016.03.18

基本無料のゲームエンジン「CRYENGINE V」発表。動作環境のテストツールの提供や開発者資金援助も

CRYENGINE

3月15日、ドイツのCrytek社は米国開催のゲーム開発者イベントGDC 2016にて、同社が開発するゲームエンジン「CRYENGINE」の最新バージョン「CRYENGINE V」をリリースしました。さらに価格を「ユーザーが払いたい分だけ」とし、基本無料から使い始めることができます。ダウンロードはこちらから(英語)。

(CRYENGINEの使用例として、CrytekがGDC 2016で公開した映像)

CRYENGINEは、壮大な世界の表現や、繊細で美しいグラフィックが特徴的です。

今回Crytekは「CRYENGINE V」の使用料について、“Pay What You Want”というビジネスモデルを提案しました。これは0円から始まり、ユーザーが支払いたい金額だけ支払うというもの。いくらを選択しても機能の違いはなく、ロイヤリティ(売り上げの一部を支払う)も一切ありません。

同社はさらに、インディーゲーム開発者を支援する基金「The Indie Development Fund」を設立しました。今後3か月に1回のペースで志願を募集し、その度に選考を通ったチームへ資金支援を行っていくとのこと。第1回目の審査申込はこちらから、可能になるとのこと(申込締め切りは6月10日です。

またCRYENGINEの使用料の一部は、ユーザーの希望に合わせて最大70%まで、この基金へ寄付することもできます

CRYENGINE(公式HP、0ドルから好きな金額を選ぶことができ、何%を基金へ寄付するかも指定できる。)

これに合わせてCrytekは「CRYENGINE Marketplace」を開設し、開発に使える様々なアセットの販売を開始します。また、「Insider Memberships」という有償の特別カスタマーサポートも始まります。月50ドル・150ドルの2種類のタイプがあります。

さらにCRYENGINE Vは、VR開発にも対応し、PlayStation VR、Oculus Rift、HTC Vive、OSVRといったハードウェアで使用できると発表されました。加えてBasemark社と共同開発した「VRScore」というソフトもリリース予定。これはVR開発におけるPCのパフォーマンスを、使用HMDを問わずにテストすることができるものです。

CRYENGINE(CRYENGINE製、Oculus Rift向け『The Climb』)

ちなみに、今回紹介したCRYENGINE以外のゲーム開発エンジンとしては、UnityやUnreal Engineがあります。

Unityは機能制限のないパーソナルバージョンが公式HPより無料ダウンロードできます(その他全ての制約がないプロフェッショナル版は有料。)。

Unreal Engineは使用は完全無料で、開発した製品を販売する場合のみ5%のローヤリティを支払うことになっています。ダウンロードはこちらから。

また、Amazonは先月2月初頭に基本無料の「Lumberyard」というゲームエンジンを発表しました。これはCRYENGINEの技術をベースにしています。

様々なゲーム開発エンジンが登場しています。今後どんなコンテンツが開発されるのか、非常に楽しみです。

(参考)
Crytek Unveils All-New CRYENGINE V and Community-Centered “Pay What You Want” Model – Crytek公式ニュース
http://www.crytek.com/news/crytek-unveils-all-new-cryengine-v-and-community-centered–pay-what-you-want–model


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