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クリエイティブツール 2018.03.14

「何か新しいアイデア考えて」に応えるVRツール『COMOLU』

アイデアを考えなければいけないとき、というのは仕事でも日常生活でも少なからず訪れます。

思いつくまま大量のふせんに思い浮かんだことを書いて貼ったり、オフィスや自分の部屋を出て喫茶店に行ったり、本屋に行ったり、入浴中にふと思いを巡らせたり、散歩したり。色々な方法で着想を得ようとしたことがあるのではないでしょうか。

新しいアイデアを思いつきやすくするために、新たに登場した発想支援ツールがVRアプリの『COMOLU』です。VRの「どこにでも行くことができ、空間を自由に使える」特長を活かし、場所を選ばず簡単にアイデアを得られるアプリです。これからは、VRでアイデアを得るという方法も一つの選択肢になるかもしれません。

発想支援ツール『COMOLU』はWIndows MR向けに、Microsoft Storeで近日配信予定です。株式会社電通の若手チームと株式会社Ataliが制作。ベーシック機能の価格は無料で、一部機能の利用は月額360円となります。

自分の頭の中に“こもる”

『COMOLU』は、自分の頭の中に“こもる”ということを意味しています。外出しなくても発想が広がるように、以下のような機能が搭載されています。

・画像や動画を空間内に自由に配置
・ふせんの貼り付け
・画像検索して検索結果を全方位に表示
・ニュースフィードがVR内でベルトコンベアに乗って近づいてくる閲覧機能
・整理した情報を集めて現実(PDF)への出力

上記のように、現実空間で行っていたことをVRでできるようにしているほか、画像検索やニュース閲覧などの機能を組み合わせています。

都内で開催された先行体験会にて、電通で『COMOLU』の制作に携わったクリエーティブ・テクノロジスト、なかのかな氏は「よく『なにか新しいことを考えろ』と言われるが、ふせんを使ったり、どこかに行くのは手間がかかる」と『COMOLU』の原点を紹介。新しいアイデアのためには新しい空間が最適で、VRだからこそ実現できることではないか、と語ります。


電通・なかのかな氏。社内外のメンバーと立ち上げたチーム「neurowear」では、脳波センサーを用いて話題となったコミュニケーションツール「necomimi」などを手がけてきた

使い方としては「イベントに行ってきたときの写真や動画の中に身をおいて、インスピレーションを得る」など、写真や動画といった情報を整理する機能を余すところなく搭載している印象です。

筆者もデモを体験してみましたが、Oculus Riftの標準ユーザーインターフェースを彷彿とさせる直感的なメニューが手元に広がり、周囲の空間には情報が所狭しと並んでいます。ハンドコントローラーを使って画像を近づけたり遠ざけたり、付箋をつけながら整理していきます。

画像検索はキューブ状の部屋の壁面と天井、床に検索結果が表示されるというもの。気になる情報に関する画像が全方位に隙間なく敷き詰められているさまは初体験で、それだけでも非常にインスピレーションのあるものでした。

BGMや背景なども設定で変更できます。現在はプリセットのものを変更するだけにとどまっていますが、自分の好みの音楽を聴きながら、お気に入りの場所の360度写真を背景にすることができたら、さらにリラックスしてアイディアが湧き出てきそうです。


イベントでは、COMOLU自体のアイデアに関する興味深い制作秘話も飛び出した。空間のUIを考えるために、まずはリアルな模型を作ったとのこと

『COMOLU』は席に座りながらでも立ちながらでも使うことができます。手軽なアイデア出しに使えるということで、PC向けのVRヘッドセットだけでなく、装着するだけですぐにVRを体験できる、一体型VRヘッドセットとの相性も良さそうです。

これからは職場で「ちょっとアイデア考えてくる」と言い残し、VRの世界にこもる人も増えていくかもしれません。


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