11月13日、株式会社コロプラ（以下、コロプラ）は平成29年9月期の決算短信、通期決算と第4四半期決算に関する説明会資料および質疑応答の概要資料を同社IRニュースにて発表しました。
コロプラの今期決算は、売上高522億4,600万円（前期比マイナス38.3%）、営業利益129億3,200万円（前期比マイナス59.4%）、経常利益129億100万円（前期比マイナス58.7%）、純利益86億9,100万円（前期比マイナス58%）と、マイナス成長での決算となりました。
コロプラは新規事業の1つとしてVR分野に大きく投資をしています。同社のVR市場への投資領域としては、世界最大規模のVR専門ファンド「Colopl VR Fund」「Colopl VR Fund 2」の設立（合わせて最大1億米ドル規模）や複数のVRゲームタイトルの開発販売（※）、国内最大級の360度動画配信サービス「360Channel」の運営と多岐にわたって展開しています。
※コロプラが今期販売したVRゲームタイトル一覧（プラットフォーム別）
PlayStation VRタイトル
『Fly to KUMA』
『STEEL COMBAT』
『VR Tennis Online』
Oculus Riftタイトル
『Dig 4 Destruction』
『Fly to KUMA MAKER』
『COLOPL VR GARAGE』
『TITAN SLAYER』
HTC Viveタイトル
『TITAN SLAYER』
コロプラの決算説明会資料にて、VR事業に関する言及はありませんでしたが、決算短信及び質疑応答の概要資料の中で、VR市場全体の見通しなどについて触れられていました。
決算短信ではVR市場について「これまでにない画期的なユーザ体験をもたらすVR（仮想現実）市場の拡大も見据え」と言及されており、VRの影響力について積極的に評価する姿勢を見せています。しかし質疑応答の概要資料では、現在のVR市場規模について、同社が想定していたよりも小さい規模になったと下記のように回答しています。
Q：VR の進捗状況はどうか。
A：市場の立ち上がりが想定以上に遅れている部分はあるが、その中でも収益確保を狙っている。コンシューマー向けで大ヒットしている VR のプラットフォームがまだない状況で、アミューズメント施設向けの VR 事業は少しずつ成果が出てきている。
上の回答にある「アミューズメント施設向けの VR 事業」の詳細について、編集部がコロプラに問い合わせしたところ、ゲームセンター・アミューズメント施設の「タイトーステーション」とネットカフェの「自遊空間」に、コロプラが企画・開発した『TITAN SLAYER』が設置されているとのことです。施設向けへのVR事業は継続する方針であることもコメントしました。
また、第45回東京モーターショー2017にて展示された『THE MAZE -都市迷宮を突破せよ-』をコロプラ子会社の株式会社エイティングが開発しています。
さらに、コロプラは決算短信にて「VRを具現化するHMD端末（頭部装着型表示端末）向けサービスへの注力も進めており、様々な開発実験を行ってまいりました」と説明しています。コロプラにとって現在のVR事業は投資・研究開発の段階であること、そして360度動画を専門とする「360Chanel」のようにゲーム以外の領域にも注力していることがうかがえます。
なお、コロプラの決算説明会資料にはVRについての言及はされていませんでしたが、スライド資料の最後のページは同社のコーポレートキャラクターである「クマ」がVRHMDを装着し、HTC Viveのコントローラーによく似たコントローラを持ったものでした。今後の同社のVR分野の事業展開に期待したいところです。
（参考）
コロプラ 平成29年9月期 通期および第4四半期決算説明会 質疑応答概要（PDF）
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid;=42555&code;=3668
コロプラ 平成29年9月期 通期および第4四半期決算説明会資料（PDF）
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid;=42285&code;=3668
平成29年９月期 決算短信〔日本基準〕（連結）（PDF）
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid;=1529127
