原発内部、ゴーストタウン、核廃棄物処理工場。チェルノブイリの傷跡をたどるVRドキュメンタリーがKickstarter開始

4月26日、1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故から30年を迎える日。ウクライナの若手の映画制作者たちのグループが制作しているVRドキュメンタリーのKickstarterが始まりました。

https://www.kickstarter.com/projects/2072386339/chornobyl360-interactive-virtual-reality-documenta

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チェルノブイリ原子力発電所事故は人類史上最悪の原子力発電所事故として歴史に刻まれています。福島第一原子力発電事故と並ぶレベル7に分類された事故そのものの規模が大きかっただけでなく、その後も放射線は長きに渡り周辺地域に影響を与え続け、現在もガンの発生率上昇との関連性を探る調査が続いています。特に発電所の周辺は放射線濃度が濃く今でも立入禁止区域になっています。発電所に最も近かった街プリピャチは、住民の避難によって無人の街となりました。

チェルノブイリ

ウクライナのグループVerum Visumが取り組んでいるのは、立入禁止区域の中の様子をVRを使ったドキュメンタリーで伝えること。この若く気概にあふれるアーティスト、エンジニアたちのチームは、チェルノブイリ原発事故のような取り返しの付かない過ちを人類が繰り返すことのないよう、将来の世代も過去の過ちから学ぶことを目的としています。

VRにより、残留した放射線の健康への影響を気にすることなく立入禁止区域に入る体験ができます。

https://www.youtube.com/watch?v=li6wRd4J5HM

今回制作中のVRコンテンツ「チェルノブイリ360」は、原発内部や、ゴーストタウンとなったプリチャピ、そして原発事故で発生した放射性廃棄物の処理工場(ロボットのみが入ることを許された区画)など複数のシーンから構成されます。

チェルノブイリVR

360度動画は6台のウルトラHDカメラと軍でも使用されるドローンを使い撮影。コンテンツ自体は、体験する人それぞれが異なる体験となるようインタラクティブな作りにするとのこと。筆者が3月に体験した初期のデモでは、放射性廃棄物の処理工場での各工程を目線を合わせて選択することで進めていくという要素がインタラクティブでした。

目標金額は3万ユーロ(約3,750万円)です。コンテンツの配信は2016年12月、Google Cardboard、Gear VR、Oculus Riftなど多くのプラットフォームをカバーするとしています。

Verum Visumは、今回のクラウドファンディングの理由として、「撮影クルーの健康を守るため、防護装備をよりグレードアップしたいこと」や「これ以上持ちだしで取り組むことが難しいこと」などを挙げています。

5ユーロから参加できますが、主なリワードは以下のとおりです。

30ユーロ(3,750円):VRドキュメンタリーのデジタル版(早割25ユーロは100名限定)
50ユーロ(6,250円):上記に加えてオフィシャルデザインののGoogle Cardboardが追加(早割40ユーロは100名限定)
60ユーロ(7,500円):上記に加えてTシャツ
など、それ以上の金額になるとバッグや線量計、立入禁止区域内で撮影した写真等が贈られます。

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この記事を書いた人

  • KFtb1VIM

    慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

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    http://www.moguravr.com/writers/