Home » 全世界のVRヘッドセット売上の3割超 中国のVR市場の特徴


活用事例 2017.07.11

全世界のVRヘッドセット売上の3割超 中国のVR市場の特徴


ゴールドマン・サックスの調査によると中国は、昨年の全世界のVRヘッドセットの売上のうち、3分の1を占めているほど巨大な市場となっています。中国を含むアジア地域は、2021年までにVRヘッドセット販売の45%を占めて世界最大の市場となる可能性が高くなっています。米メディアUploadVRでは中国のVR市場の4つの具体的な特徴について述べられています。

ハイエンドVRよりモバイルVRが主流


中国のユーザーは、Playstation VRやOculus Rift、HTC ViveといったハイエンドのVRヘッドセットよりも安いモバイルVRに注目しています。中国でベストセラーとなっているVRデバイスは20ドル(約の「Ritech」と呼ばれるVRヘッドセットで、毎月約10万台出荷されています。アメリカではPSVR(44,980円)のようなヘッドセットがよく売れていることと比べると差がはっきり出ています。また、XiaomiやHuawei、Pico VRなどの中国企業もモバイルVRヘッドセットを発売し、より多くの中国国内ユーザーにヘッドセットを供給しています。アリババのオンライン市場であるT-Mallで最近販売された30万台のモバイルVRヘッドセットの大半は30元(約500円)以下だったということです。これらのモバイルVRヘッドセットは簡単に使用することができ、安さを重視する中国のユーザーに対して効果的に売れています。

ハイエンドVRは商業施設でお金を払って体験

中国のほとんどのユーザーは家の外でハイエンドなVRコンテンツを体験しています。中国のショッピングモールでは、VR体験を提供する店舗が約3,000店オープンしていると推測されます。これらの体験エリアでは約30分でプレイ料金が8ドル程度が相場。HTCなどは1万もの体験エリアをオープンすることを発表しています。

ショッピングエリアにはユーザーを包み込むようなVRポッドが並んでいます。最近は、このようなより没入感があるポッドタイプの体験が人気になってきたため、コンテンツを開発する企業はポッドの開発に投資をしています。

また、中国のデジタルエンターテインメント企業であるShanda社は3.5億ドルをVRに投資してVRのテーマパークを中国に作りたいと考えています。

法人向け市場への参入も加速

中国では法人向けソリューションとしてViveなどのハイエンドなVRヘッドセットが使われています。一般的なユーザーはViveとハイエンドのゲームPCに数千ドルを費やすのは高価すぎると感じている一方で、ビジネスの分野では業務の効率化や収益が取れると判断すれば積極的にハイエンドVRヘッドセットを採用しています。Fung Business Intelligenceによると、中国のファッションブランドの中に、オンライン小売店と提携してVRで試着ができるサービスを提供している会社もあるとのことです。

他のサービスの宣伝のためのVR体験

中国では他のショッピングサービスなどの宣伝のためにVRを活用しています。アリババはオンラインショッピングの売り上げアップのためにVRコンテンツを開発していて、ショッピングサイトのユーザーが家に居たままニューヨークの街を歩き回って服を探せるような世界を想定しています。

モバイルVR向けのハードウェア販売が好調なため、中国のVR市場では今後より魅力的なコンテンツが求められると考えられます。百度、テンセント、アリババの子会社はビデオサービスを開始して、VR映画、テレビ、ゲームコンテンツに投資しています。上海メディアグループは最近、アメリカのJauntと提携してJaunt Chinaを立ち上げました。この合弁企業は今後2年間で500のVRコンテンツの制作を計画しています。

(参考)
4 Things That Make The China VR Market Unique – (英語)
https://uploadvr.com/4-things-make-china-vr-market-unique/


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード