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活用事例 2017.12.18

チケット争奪戦がなくなる?ブロックチェーンを駆使しVRライブ実現目指す

VRキットやコンテンツ開発企業を手掛ける米国企業「CEEK VR」は、ファンとアーティストをVRで繋ぐプラットフォームを開発し、トークン(※1)セールを開始しました。VRライブによってライブチケットが売り切れてしまう状況を変えることを目指しています。

※1 既存のブロックチェーン技術を転用して作った独自の仮想通貨

釣り合わないライブの需要と供給

北米のコンサートチケットの販売台数は、2000年以来毎年ほぼ10%の成長率を示しています。ポップミュージックの女王、ビヨンセが2016年に行ったワールドツアー「Formation」では49公演で220万枚のチケットが販売されました。

しかし、需要の増加に会場が追いついておらず、チケット業界は成長のジレンマに直面しています。チケット価格を引き上げるとコンサートの参加者に直接影響を与えるため、需要が増えている中で多くの収益機会を失っています。

VR開発企業『CEEK VR』の取り組み

米国フロリダ州マイアミビーチに本社をおくVR開発企業『CEEK VR』が、この問題に着手しています。同社はすでに、VRキットを発表しており、またT-Mobileやアップルなどの大手企業と提携して、VRコンテンツの開発を行っている企業です。彼らは次のステップとして、“世界中どこからでもコンサートに参加できるVRプラットホーム”を開発しました。iOSとAndoroid向けに公開され、無料でダウンロード可能です。

「トークン」を販売し、全世界にライブを届ける

CEEK VRではブロックチェーンを利用して独自に発行したトークンを購入することで、有名アーティストのライブにVRを通じてアクセスできるようになります。2015年に設立された同社はユニバーサル・ミュージックと提携し、レディ・ガガ、エルトン・ジョン、スティング、ボン・ジョヴィ、ケイティ・ペリーなど100以上のアーティストを擁し、7億5000万人以上のファンへアクセス可能です。現在は2Dのコンテンツが大半を占めていますが、今後は360度動画のコンテンツに注力して行くことを明らかにしています。

ブロックチェーン活用の理由

現在、アーティストのライブのインターネット放送やグッツ販売を行おうとすると、権利所有者や芸能事務所とのライセンスの問題で、実現までに非常に多くの労力を必要とします。そこでCEEK VRはブロックチェーンの出現によって、大きく発展した「スマートコントラクト(※2)」を実装することで、その労力を簡略化することを目指しています。
スマートコントラクトを通じて権利所有者や芸能事務所との契約を効率化し、さらに自動的に報酬を支払うことにより、ライセンスされた音楽や有名アーティストの関連映像などプレミアムコンテンツ配信のハードルが取り除かれます。そのため、より多くの人々が質の高いコンテンツを制作することに注力し、それによって相応な対価を得ることができるようになることが予想されます。

※2 主にブロックチェーンを利用した契約の自動化であり、契約の条件確認や履行までを自動的に実行することができる

CEEK VRのようなVRでのライブ参加が機能すれば、今後売り切れイベントがなくなることとなります。同社のプラットフォームがどのように発展して行くのか、今後の動向に目が離せません。

(Ceek VR公式ページ)
https://www.ceek.io/

CEEK VRはApp Store、Google Play Storeからダウンロードできます。
(App Store)
https://itunes.apple.com/us/app/ceek-virtual-reality/id1169054349
(Google Play Store)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ceek.virtualrealityconcerts

(参考)
This Platform is Using Blockchain to Sell Unlimited Concert Seats in VR – VRScout https://vrscout.com/news/platform-blockchain-vr-concert-tickets/

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