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活用事例 2017.11.01

VRゲームの先駆者、CCP GamesがVR開発を縮小へ

『EVE: Valkyrie』や『Sparc』といったVRゲームを手がけてきたゲームスタジオCCP Gamesが、VR開発を終了することを発表しました。CCP Gamesは『Sparc』を手掛けたアトランタのオフィスを閉鎖し、また『EVE: Valkyrie』を開発したニューカッスルのオフィスを売却しました。

『EVE: Valkyrie』のスタジオが閉鎖へ

アイスランドのメディアMBLとゲームメディアPolygonでは、CCP GamesがVR開発を行ってきたスタジオを売却し、今後VRゲーム開発からPC・モバイル向け開発へ焦点を当てていくと報じています。CCP Gamesは、オンラインゲーム『EVE Online』で知られているアイスランドのゲームスタジオです。VR開発にいち早く取り組み、2016年にVRスペースシューティング『EVE: Valkyrie』、2017年にVRスポーツゲーム『Sparc』などのVRタイトルをリリースしてきました。

報じられているところによると、同社はレイキャビク、アトランタ、ニューカッスル、ロンドン、上海のオフィスのうち、ニューカッスルとアトランタのオフィスを売却する予定とのこと。レイオフは、同社の全世界の従業員370人以上のうち約100人に影響するとしています。

ニューカッスルのスタジオでは、Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation VR向けのVRゲーム『EVE: Valkyrie』が開発されました。

宇宙を舞台としたドッグファイトのフライトシューティング『EVE: Valkyrie』は、2012年のOculus Rift開発者キット第一弾の頃から開発を開始した、昨今のVRゲームの先駆者とも言える存在です。2016年3月にOculus Riftのローンチタイトルとしてリリースされて以降、HTC Vive、PSVRへの対応を行い、クロスプラットフォームでの対戦ができるなどのメジャーアップデートを繰り返してきました。非VRプレイのサポートも行われています。

アトランタのスタジオが開発した『Sparc』は、手を動かして体験するVRを向けスポーツタイトルです。2017年8月にPSVR向けにローンチされました。本作は元々Oculus Rift、HTV Vive向けタイトルとして予定されていた作品ですが、現在はPSVR向けにのみ展開されています。

VRの今後数年間はわずかな成長に留まる

またCCPのモバイルVRゲーム『Gunjack』は上海オフィスで開発されており、今回のニュースを考慮すると、同オフィスのノウハウもより多くのPC・モバイル向けタイトルを制作する目的に再利用されていくと予想されます。

CCPのCEOであるHilmar Veigar Petursson氏はMBLに対し、「VRへの長期的な信念は持っている」としながらも、今後数年間はわずかな成長に留まるとし、より多く期待できる市場へ注力したいと述べています。

ゲームメディアPolygonによると、発売している『EVE:Valkyrie』と『Sparc』のサポートはロンドンスタジオにて続けるとのこと。今後もアップデートなどが行われるようです。

(参考)
CCP to Shelve VR as It Shutters Atlanta Office, Sells Branch Behind ‘EVE: Valkryie’ in Newcastle / Road to VR(英語)
https://www.roadtovr.com/ccp-shelve-vr-shutters-atlanta-office-sells-branch-behind-eve-valkryie-new-castle/

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