テレポートでVR空間を自由に移動、HTC Vive向けFPS『Budget Cuts』

ValveとHTCが共同で開発しているHTC Viveは、最大5m×5mの空間での動きをトラッキングする独自システム「Lighthouse」が特徴的です。Oculus RiftやPlayStation VRと比べて圧倒的に広いその範囲は、VR空間内での自由な動きを実現してくれることでしょう。

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ただし、VR空間内で動き回れる技術ができたとしても、それをすぐに実装できるわけではありません。VRHMDを装着した人間が立っている部屋は、木造にしろ鉄筋にしろ物理的な壁に囲まれており、「人間が生身の体で移動できる範囲」が制限されているからです。VRの世界に夢中になるあまり、リアルの体が壁と衝突してしまっては危険です。

コンテンツ制作側もこの問題を解決すべく、試行錯誤が続いています。

今回紹介するのは、HTC Viveに対応するスパイFPSゲーム『Budget Cuts』です。開発しているのはスウェーデンのインディーゲームスタジオNeat Corporationです。

https://www.youtube.com/watch?v=gbp7xX9QPOc

プレイヤーはテレポートのような技術で移動をしています。特殊な銃器によって、床などの目標地点に青い円を打ち込み投影すると、その地点での視界が拡大し、次の瞬間にはその位置に移動しているというわけです。テレポートにより、プレイヤーの生身の体は一歩も動くことなく、VR空間内を移動することができます。

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テレポートによる移動は、Oculus Rift(Oculus Touch)向けの技術デモのFPS『Bullet Train』でも見られます。

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FPSをはじめとするVR空間での移動問題は、クリエイターたちを悩ませています。
特にFPSのような視点移動の激しいゲームでは、VR内の”足”で動き回ると、その激しさから重度のVR酔いを引き起こしてしまうのです。テレポートは、その解決方法のひとつです。
他にも、プレイヤーを常に乗り物に乗せることで、実際に動く範囲を制限するという手法もあります。(HTC Vive向け FPS「HOVER JUNKERS」)

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『Budget Cuts』 は現在、2016 Vision Summit にて発表される”Best Game” VR/AR部門のファイナリストとなっています。まだ開発中ということで、続報が待たれます。

対応するヘッドマウントディスプレイ、HTC Viveは2月29日から予約を開始、出荷を四月に予定しています。

(参考)
Budget Cuts’ Uses Portals to Solve Room-Scale Locomotion Problem – Road to VR (英語)
http://www.roadtovr.com/budget-cuts-uses-portals-solve-room-scale-locomotion-problem/

※アメリカのVR専門メディアRoad to VRはMogura VRとのパートナーシップを結んでいます。

この記事を書いた人

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    工学専攻の大学生。好きな科目は国語。趣味は歌などの創作でボーカロイドも使います。SAOのような物語が引き起こす、自他の文脈や人と世界の関係の集積へダイブすることを切望して止みません。将来もVRの傍に立っていたいと思います。

    Twitter:@yunoLv3

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