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活用事例 2017.08.02

運営企業は不要 ブロックチェーンをソーシャルVRに活用

ソーシャルVR『Decentraland』が登場しました。『Decentraland』はブロックチェーン技術を用いたプラットフォームで、バーチャル空間内の土地を仮想通貨で購入して、ユーザー主導のコンテンツ運営を可能にするものです。運営会社に依存しない、恒久的なオンラインVR空間の構築を目指しています。

『Decentraland』とは

『Decentraland』のユーザーは、最初にバーチャル空間の土地を購入します。購入は仮想通貨を用いて行いますが、土地の所有権を手に入れることによって、そこで様々なオブジェクトを配置したり、コンテンツを展開することが可能で、バーチャルカジノなどの課金コンテンツを展開することもできます。

『Decentraland』はユーザー主導型のソーシャルVRプラットフォームであり、運営企業が存在しません。したがって、バーチャル空間内でのルールの取り決めや、金銭のやり取りはユーザー同士で決められるので、運営企業によって制約されたり変更される心配がありません。

また、先日ソーシャルVRサービス『AltspaceVR』が資金難のために閉鎖しましたが、『Decentraland』には運営企業が存在しないため、企業による閉鎖とともにプラットフォームが消滅することはありません。この点が『AltSpaceVR』や『Facebook Spaces』などの企業運営によるVRサービスと大きく異なる点です。

バーチャルな「土地」を好きに使うことができる

『Decentraland』のユニークな特質を技術的に支えているのがブロックチェーンです。ブロックチェーンは分散型のネットワークを通じてデータをやり取りする技術で、ブロックチェーンのもっとも有名な使用例は、最近話題になっている仮想通貨です。ブロックチェーン技術の発達によってビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が発達しましたが、『Decentraland』の基盤はイーサリアムによって構築されています。

『Decentraland』ではMANAという仮想通貨が流通しており、ユーザーはこのMANAを1,000ポイント購入することによって、バーチャル空間に土地(=LAND)を購入できます。いったん土地を購入すれば、その使い道はユーザーが自由に決めることが可能で、たとえばVRシアターを建ててバーチャル空間で映画鑑賞をしたり、ミュージアムを建てたり、もしくはカジノを建ててバーチャル空間上でお金を賭けることもできます。

『Decentraland』に展開するオブジェクトやコンテンツは、同サービスが提供する専用のエンジンを用いて製作できますが、これはUnityのプラグインであるため、Unityを用いて開発を行う人にとっては開発がしやすい環境といえます。

https://www.youtube.com/watch?v=usAq0YePQXI

『Decentraland』は現在のところヘッドセットでの閲覧には対応しておらず、Unityとブラウザ上からのアクセスに限られていますが、将来的にはHTC ViveやOculus Riftへの対応を予定しています。

(参考)
VRScout / Decentraland is a Metaverse Built on Blockchain(英語)
https://vrscout.com/news/decentraland-metaverse-blockchain/

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