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ゲーム・アプリ 2017.01.29

本物の恐怖はVRで『バイオハザード7』全編VRレビュー

2017年1月26日に発売されたホラーゲーム話題作『バイオハザード7 レジデント イービル』。筆者はこれまでもバイオハザードシリーズをプレイしてきました。今回は全編をVRモードでプレイしてレビューしていきます。

最も怖いのは「人間」

バイオハザード7の舞台はアメリカのルイジアナ州にある大自然に囲まれた「ベイカー家」の館です。鬱蒼とした森林や広大な湿地帯なども忠実に再現され、林の中で体中汚れながら進んでいく体験をまじまじと味わうことができます。自然に囲まれた舞台と言えば『バイオハザード0』『バイオハザード1』等にもあったように、助けが来ないという恐怖感を煽られます。

今回、最も恐ろしい敵はゾンビではなくベイカー家の住人達です。外見は人間そのものですが、身体能力は凄まじく高くなっています。一番厄介なのは倒したとしても一定時間経つと復活してしまう点です。バイオハザードシリーズをプレイしてきた人であれば、『バイオハザード1』の「リサ・トレヴァー」や『バイオハザード2』の「タイラント」などで味わった恐怖が蘇ってきます。そしてベイカー家の住人たちは「家族」に異常なまでに執着していますが、その真相も明らかにされます。

本作でゾンビのようなザコ敵な扱いなのが黒い塊に覆われた「モールデッド」です。ザコ敵扱いと言えども俊敏な動きをするためゾンビよりも厄介な相手になっています。動きとしてはゾンビよりも『バイオハザードリベレーションズ』に登場する「ウーズ」に近いものになっています。しっかり弱点の頭に武器を当てていけばそれほど苦戦する相手ではありません。黒色で触手のようなものの集合体と言えば『バイオハザード5』をプレイした方は何か思い出すのではないでしょうか。

VRだとリアルに感じる「命中率の低さ」

武器はピストルや斧などシリーズではおなじみのモノが登場します。更に武器によっては弾丸の種類も変更できるため、幅広いプレイスタイルを選ぶことができます。ただし従来のシリーズとは違い主人公は一般人なので、射撃精度は劣悪と言えます。さらにVRモードでは敵が目の前に出現する焦りも加わり命中率はさらに下がります。映画などで主人公が中々弾を当てられない理由がよく分かるほどです。

従来のバイオハザード作品では落ちているメモなどで過去に起きたことを知る事が出来ました。今作でも様々なメモや写真を拾うことができますが、それ以外にもビデオテープで過去を追体験することができます。ビデオテープではこれから行くステージのヒントが隠されているため手に入れたら必ず見るようにしましょう。

巧みな「手への演出」

『バイオハザード7』では特に手の演出にこだわっています。手に虫が飛びついてきたり、だんだんとキズだらけになっていくなど見るに堪えない演出が取り入れられています。これはこれまでのバイオハザード作品にあまりなかった表現です。

特にVRモードでは手の位置も現実に近いため、思わずコントローラーを投げたり現実の手をかばってしまう位に臨場感があります。さらにグロテスクバージョンではさらにグロテスクな表現が多数取り入れられています。

VRモードで体験すると相当のボリュームに

筆者は初プレイをVRモード、難易度ノーマルで8時間ほどでクリアしました。VRゲームもホラーゲームも慣れているため、VRホラーを未経験の方は倍以上の時間がかかると感じられるほどボリュームがあります。また、比較的酔いやすい一人称のVRゲームですが工夫がされており、6時間ほどPSVRを着用したまま連続でプレイしましたが酔いを感じることはありませんでした。また、グロテスクバージョンのみでしかプレイしていないため通常版との全体的な違いは分かりませんが、手に釘が刺さる演出や腕が欠損する演出はグロテスクバージョンならではです。

VRモードでプレイしていて気になったのはメニューや字幕表示にまだ気になる点が残ることです。メニューや字幕表示は手前に何かがあると隠れてしまうため、カギにかかった扉を開けようとしてメニューが扉にめり込んでしまって選択できない事がたびたび発生します。さらに字幕も手と同じ高さに表示されるため隠れてしまう事もありました。

また、VRモードでは移動速度が遅くなっているため、動きの速い敵の攻撃を回避することがほぼ困難になっていました。そのため回復アイテムを多数用意して銃火器でゴリ押すといったプレイスタイルにならざるを得ませんでした。ノーマルまでならまだしもそれ以上の難易度ではクリアは非常に難しいものとなります。

バイオハザードの原点回帰になる作品

本作はプレイしているだけで従来のバイオハザードシリーズを思い出させてくれる演出が多数取り入れられていて、バイオハザードファンにはぜひともプレイしてほしい作品です。

バイオハザード4以降の一本道的な進行ではなく、他の場所に行ってから再び最初のエリアに戻ってくるステージはまさに『バイオハザード1』の洋館を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。近年のバイオハザードシリーズに見られたアクション性重視のスタイルからは逸脱しており、まさしく原点回帰と言える作品に仕上がっています。シリーズ伝統であったタイプライターや赤ハーブが無くなっている点には少し寂しさを感じました。

怖さの質が段違いなVRモード

また、通常モードであまり怖くないと感じたユーザーはぜひVRモードを体験していただきたいと思います。通常モードとVRモードでは怖さの質が段違いで、ホラーに慣れた筆者でも一人ではプレイしたくないと感じるほどでした。ホラーやグロテスク表現が苦手な人はグロテスクバージョンのVRモードを体験すると進行不可能になってしまう事もあるため注意が必要です。

現在発売されているPSVRのコンテンツの中では一番の完成度と言っても良いコンテンツに仕上がっています。PSVRを持っているユーザーはぜひ一度は体験してほしいコンテンツです。しかしホラーが苦手な人にはトラウマになってしまうほどのレベルであるため無理やり体験させることは控えた方がいいと感じられるほど。プレイする際は注意しましょう。

ソフトウェア情報

「BIOHAZARD 7 resident evil」

【メーカー】株式会社カプコン

【開発者】株式会社カプコン

【対応ハードウェア】PlayStation4(PS VR 対応)、Xbox One、PC

【価格】○通常版【パッケージ版】7,990円+税
                  【ダウンロード版】(PS4)7,398円+税 / (XboxOne)7,400円+税 /
(Steam)7,398円+税 / (Windows 10 UWP)7,407円+税
○デラックスエディション【ダウンロード版】
(PS4)9,250円+税 / (XboxOne)9,280円+税 /
(Steam)9,250円+税 / (Windows 10 UWP)9,259円+税
※ダウンロード版のみの販売となります。

【操作】PlayStation Dualshock4コントローラー

【リリース日】2017年1月26日

【言語】日本語対応

<Mogura VR的評価>

【オススメ度】★★★★★★(PSVRを持っている人には一度はプレイしてほしい名作)

【快適さ】★★★★★

【操作性】★★★★☆(メニュー画面や字幕の表示がVR向きで無い)


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