グーグルは、ARプラットフォーム「ARCore」をアップデートします。目玉は、複数人が同時にアクセス可能かつ「永続的な」ARへの進化です。
マルチユーザーARのCloud Anchors
ARプラットフォーム「ARCore」は特殊なデバイスを必要とせず、スマートフォンやタブレットで利用できます。AndroidだけでなくiPhoneの一部機種に対応しているのも特徴です。
そしてARCoreの機能の一つが「Cloud Anchors」。複数のユーザーが同じAR空間にアクセス・共有するAR体験を可能にするものです。マルチユーザーのARアプリが実現します。
ARの“セーブボタン”実現へ
今回発表されたのは大きく2点です。まず「Cloud Anchors」に関して、より広範囲で多くの場所にアクセスし「さらにしっかりした3Dマップ」を生成できるようになりました。
この結果、1シーン内の複数のポイントを同時に処理可能となり、ARアプリの起動時間を短縮できるということです。
グーグルによると、将来的にはさらに永続的なCloud Anchors機能の開発を計画中。現在と比較し一段と広範囲で、長期間とどまるARコンテンツを配置可能とします。同社のAR製品マネージャーChristina Tong氏の言葉を借りるなら、ARの“セーブボタン”なる物の実現です。
Tong氏は、この“セーブボタン”により、ユーザーは好きな場所にメモや動画へのリンク先、3Dオブジェクトを配置できるようになります。デジタルと現実世界の橋渡しをするものとして重要だ、と述べています。
この永続的なARを用いたコンテンツとして、アートアプリ「Mark AR」が発表されています。現実世界にARのグラフィックを絵描き、ユーザー同士がモバイル機器で見つけたり、上書きしたりできるというもの。
ARエフェクトがiOS対応
加えて、自撮り画像に眼鏡や帽子、肌合いを変える等のARエフェクトを重ねる機能“Augmented Faces”に関するアップデートが発表されました。サポート対象にiOSのデバイスが追加され、エフェクトのテンプレート提供も始まります。テンプレートは、デベロッパーの開発プロセスをよりシンプルにする狙いがあります。
開発者向けのARCoreに関するガイド、SDKダウンロードはこちらから。
永続的なARに関する取組は、下記の記事でも紹介しています。
(参考)Road to VR、Next Reality
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。