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テック 2017.02.21

「ARはすべての人のために」アップルCEOティム・クックが語る

 
米アップル社のティム・クックCEOは、ヨーロッパ外遊中に英インデペンデント紙によるインタビューで、ARは私たち皆の生活を豊かにする技術である旨を語りました。

「ARは素晴らしいと思う。VRが現実世界を切りはなす一方、ARは現実世界を保ったまま、さらにそこに情報を付加してくれる」同氏は、ARの有用性をVRと対比しながら語りました。

「多くの人々は、現実からまったく切りはなされて、VRの中にこもりきりたいと思わない。そんなことをすれば具合が悪くなってしまう。ARは、その中に没入することはできないが、それが現実世界の一部になる。いわば現実との共鳴だ」

ティム・クック氏が言うような、ARとVRをまったく正反対の技術(特にVRは人々に悪影響をもたらすという見方)と考えるのは議論の余地がありますが、ARが現実世界を豊かにする技術であることは納得できるでしょう。特に、日常生活を豊かにするというのは、アップル製品が得意とする分野でもあります。

日常生活にARを、スマートフォンのように

インタビューの中でティム・クック氏は、スマートフォンが実現してきたように、ARは私たちの生活を向上させうるものであると述べました。

「ARは私たちの生活のあらゆる局面やエンターテイメントを向上させるだろう。私はAR自体は製品ではなく、コア技術の一つだと考えている。iPhoneにおけるシリコンチップのようにね。ただ、ARがメインストリームに登場するには、まだ乗り越えなければならないことがある。人々の生活を豊かにするために、考えなければならないことは山ほどある。ARは現実世界を向上させる、だからこそ素晴らしいんだ」

残すは発表を待つのみか?

グーグルやマイクロソフトなどの同業者がAR/VR分野への開発をうたっているなか、アップルはAR/VRへの参画をまだ宣言していません。とはいえ、すでに開発を進めているであろうことは疑いようのない事実でしょう。

近年、アップルではAR/VR分野の技術者を採用しており、さかのぼること2007年にはヘッドマウントディスプレイの特許を、そして最近ではARデバイスの特許を取得しています。また昨年には、VR/ARの第一線の研究者であるDoug Bowan氏の採用が発表されました。

ただし、ARにおいて解決すべき課題が残されていることを考慮すると、有機EL(OLED) パネルの採用が予想される次世代iPhoneのように、アップルがVR対応デバイスの方を先行して発表する可能性も考えられます。

(参考)
Apple CEO Continues to Set the Stage for Rumored AR Play: ‘AR is for everyone, like the smartphone’(英語)
http://www.roadtovr.com/apple-ceo-tim-cook-ar-augmented-reality-smartphone-iphone/

※Mogura VR は、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。


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