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活用事例 2017.07.04

アップル、VR関連人材を募集 独自のメディアフォーマットを開発か?

先日Appleが発表した新型iMacとiMac ProがVRに対応したことによってVR業界に新たな風が吹き込まれました。現在同社が募集している職種にはVRに関連するものが数多くあり、同社が今後、VRに関連する開発をさらに加速する姿勢が見えます。

VR関連の人材を募集

現在Appleは同社公式サイトにおいて VR File Format Engineerと VR Pipeline Engineerという職種を募集しています。募集要項によると、前者はVRと360度動画を体験したことがあり、かつメディアファイルのフォーマットのデザイン、もしくは実装経験があることが条件で、後者はVRコンテンツや360度動画の再生システムの実装、もしくはデザイン経験があることを条件としています。これら2つは、Apple社内のInteractive Media Groupに所属するCoreMediaチームでの職種です。

Interactive Media Groupとは

Interactive Media GroupはApple社内においてメディアとグラフィックを専門とする部門です。同部門はAVFoundationやCoreMedia、CoreAudioなどの部署に分かれており、Apple製品のメディア体験をハードウェア面、ソフトウェア面両方からサポートしています。そのため取り扱う製品はiPhone、AppleTV、Apple Watch、iPad、iPod、Mac、そしてiOSやtvOS、watchOS、macOSやWindows対応のソフトウェアなど多岐に渡り、Appleの企業活動を根本から支えています。今回の募集はInteractive Media Group内のCoreMediaチーム内での職種です。

CoreMediaチームとは

CoreMediaチームはオーディオビジュアルのメディアに関するソフトウェア開発を担う部門であり、具体的にはメディアの再生機能、オンデマンドの映像配信、マルチメディアコンテンツのストリーミング配信などが含まれます。同部門の開発するエンジンはSafariやiTunes、Photos、ミュージックやビデオ再生、iMovieに実装されており、iOSやmacOS、サードパーティー対応アプリを対象にしています。

同様に、現在AppleはCoreAudio部門のSpatial Audio Software Engineerにてオーディオに関するサブシステムに携わった人材を募集しています。DAWをはじめUnreal、Unityなどの開発エンジン、もしくはゲーム、AR/VRアプリケーションのオーディオに関するミドルウェア開発に携わった経験者を優先的に採用するとの意を示しています。

Appleの狙い

Appleが求めるこれら人材は、同社の事業にどんな利益をもたらすのでしょうか。考えられるのは、同社のビデオ編集ソフト『Final Cut Pro』の開発です。同ソフトは最近VRに対応し、VR機能の開発において大きな役割を果たすでしょう。その他にもMac、iOSでのVRコンテンツの再生機能など、VRの開発は同社にとって今後大きなテーマになるでしょう。

VRの市場化は始まったばかりで、ほとんどの技術はまだ開発段階です。そのためAppleは今後同社独自のファイルフォーマットを開発することも考えられます。同社はこれまでにも様々なフォーマット形式を発表しており、ALACやAPR、そして遡ること1994年にはQuik Time VR(QTVR)という360度パノラマ写真を生成、閲覧するファイル形式も発表しています。オーディオビジュアルを得意とする同社の特質は、VRにどのような進化をもたらすのでしょうか。

(参考)
Road to VR / Apple’s Job Listings Seek ‘VR File Format Engineer’, ‘VR Pipeline Engineer’, & More
https://www.roadtovr.com/apples-job-listings-seek-vr-file-format-engineer-vr-pipeline-engineer/

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