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活用事例 2017.04.13

よりハイスペックになる次世代Mac ProはVR対応するのか?

Oculus RiftやHTC ViveなどのVRヘッドセットは、アップル製の端末をサポートに入れていません。これは、アップル製の端末がこれらのVRヘッドセットが要求するスペックに達していないというのが、主な理由となっています。このことに対して、アップルが直接言及することはないものの、現在のMac Proが一部の顧客やVR用途の要求には見合っていないことについては認めているようです。

TechCrunchのインタビューの中で、アップルのワールドワイドマーケティング担当上級副社長であるフィル・シラー氏は、Mac Proについては、全てを一から考え直しているところだと述べました。


アップルが現在の円筒状のMac Proをリリースしたのは2013年にさかのぼります。従来の巨大な箱型のMac Pro Towerと比べ、非常にコンパクトな筐体でした。また、今後のハイスペックPCではGPUを複数搭載するのが一般的となるとの想定のもとで、Mac Proは標準でGPUを2台備えた仕様になっています。ところが、GPUの需要は高まるものの、大半のアプリケーションの最適化はマルチGPUではなく、単一で高スペックなGPU向けになされています。このため、Mac Proで採用したトライアングル状のCPU-GPU-GPUという配置による熱分散と、それによる効率化の恩恵は十分に活かすことができていません。

GPUメーカーのNVIDIAとAMDはどちらもVRレンダリングに複数のGPU使用をサポートしています。しかし、デュアルGPUアーキテクチャ用にVRアプリケーションを最適化している開発者がほとんどないのも実情です。

目標は近年のGPU需要に適うスペック

インタビューの中でアップル社の開発陣は、高負荷な3Dグラフィック、VRなどを始めとして、GPUへの強い需要があることを認めており、Mac Proでも可能な限りハイスペックなGPUを搭載したいとも述べていました。

新たなMac Proについては、現在進行で開発に取り組んでいるとシラー氏は述べました。「本件に関してはチームを結成して積極的に取り組んでいるし、通常の改善も続けるつもりだ。我々のプロユーザー向けの、ハイエンドでハイスループットな製品を作り上げようとね」。なおアップル社からは、Mac Proについて2017年までは大きな変更は実施しないとの話もあります。

アップルの対応に周辺のプレイヤーはどのように応えるのか

Oculusが2014年に開発者版のDK2をリリースした当初、アップルの端末はサポートの対象となっていました。ところが2015年には、MacやLinuxに向けた開発ツールの提供は中断し、スペックとして適うWindowsのみに専念するとの発表がありました。2016年に共同設立者である元Oculusのパルマー・ラッキー氏は、もしアップル社が高スペックな端末をリリースするのであれば、ぜひサポート対象に加えたいと述べていました。

現在、OculusやHTCによって発表されているVR対応の推奨スペックは、「Intel Core i5-4590」か、あるいはこれと同等のCPUを備え、かつ「NVIDIA GTX 1060」もしくは「Radeon RX 480」や、これらと同等のGPUの搭載です。

アップルからの回答を鑑みると、新型Mac Proはハードウェア的にはVR対応相当のGPUを搭載すると推測することができるでしょう。ただし、VR対応はアップル単独でスペックを満たせば達成できるものではなく、アップル製品やMacOSへの互換性のために、GPUメーカーや制作のためのミドルウェア、ソフトウェアメーカーなど様々なプレイヤーからのサポートを受ける必要があります。

(参考)
Apple Points to VR as One Reason Why Next Mac Pro Needs to be More Powerful(英語)
http://www.roadtovr.com/apple-points-vr-one-reason-next-mac-pro-needs-powerful/

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