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活用事例 2018.04.02

iOSのARKit専用アプリが2,000個を突破 DL数は続伸

アップルの「ARKit」は、iOS 11以降を搭載したiPhoneとiPadで、ユーザーが手軽にARを楽しむことができるプラットフォームです。開発者が独自のARアプリケーションを構築できます。 2017年6月に行われたアップルの基調講演では、同社はARKitに関し「Appleは世界で最大のARプラットフォームを持つことになるでしょう」としています。

モバイルアプリ調査を行うSensor Towerが発表した最新のレポートでは、2017年9月にiOS 11がリリースされた後、わずか6カ月間で世界中から1,300万回以上もARKit専用アプリがダウンロードされていることが明らかになりました。

同社はランキングデータが主にARKit専用アプリであることを強調しています。ARKitと互換性のあるアプリやARKitで更新されたアプリはデータに反映されていません。『ポケモンGO』などの元々ARKit専用でないアプリは、今回のランキングには入っていないということになります。

ダウンロードランキングは「ARKit専用アプリ」「ARKit専用ゲーム」「ARKit専用非ゲームアプリ」の3つのカテゴリーに分類されています。各カテゴリー内には、無料トップランキング、有料トップランキング、売上トップランキング別にアプリがランキング表示されています。

過去6か月間のARKitアプリの1位は?

2017年9月19日〜2018年3月19日の6ヶ月間に、「ARKit専用アプリ」の無料ダウンロード数ランキングで1位を獲得しているのはバーチャルペットシミュレーター『AR Dragon』です。有料トップランキングと売上トップランキングでは計測ツール『CamToPlan Pro』が1位を獲得しました。

その他IKEAの家具を自分の部屋にAR配置できる『IKEA Place』、あらゆる動画にGifステッカーを貼り付ける『GIPHY World』、マルチプレイヤー対戦ゲーム『The Machines』、『はらぺこあおむし』が現実の中を動き回る『My Very Hungry Caterpillar AR(わたしの はらぺこあおむしAR)』など、早くから注目を集めているほかのARアプリも、2017年秋以降継続してダウンロード数が伸びています。

ゲーム系ARアプリは全体の47%を占める

2017年10月に発表された同ランキングと比較すると、ゲーム・ライフスタイル・エンターテインメント系アプリのダウンロード数はすべて増加していることが示されています。ゲームカテゴリーに関しては、1,300万ダウンロード数のほぼ半分となる全体の47%を占め、飛躍的に伸びています。

ライフスタイル系アプリはダウンロード数が2番目に多く、全体の14%を占めています。3番目のエンターテインメント系アプリはダウンロード数全体の12%を占めています。

教育用ARアプリの傾向

他方で義務教育・高等教育・企業研修などで注目されている教育用ARアプリは、2017年10月には全体の7%だったダウンロード数が、今回のレポートでは4%に下落していることが明らかになりました。

これに関し、米メディアであるVRScoutは、同氏は教育系ITスタートアップARVRinEDUの創設者であり、教師向けAR/VR活用本『Learning Transported』の著者として活動するJaime Donally氏にインタビューを行っています。

Jamie氏はSensor Towerの最新のデータに関して悲観的な見方はなく、「教育は通常、他業界に追いつくまでに時間がかかるので、教育用ARKitアプリの数に感銘を受けています。多くの開発者が教育に利用できるコンテンツを製作しましたが、エンターテイメントのカテゴリーに分類されているアプリしか見たことがなかったからです」と話しています。

ARKitの今後の成長に期待

Sensor Towerのモバイルインサイト責任者であるRandy Nelson氏は、「最新の分析結果から分かることは、ARKit専用アプリは、インストールとユーザーの体験可能な数という点において増え続けています。分析結果にはARKitと互換性のあるアプリは含まれていません。また、App Store上でリリースされているARアプリ数は現在(2018年3月)までに2,000以上存在しています」と公式ブログでコメントしています。

アップルの「ARKit」が今後どこまで拡大していくのか、注目が集まっています。

(参考)VRScoutSensor Tower Blog
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