今年6月、アップルは新たに68の特許を取得しました。これらは同社のiPhone、iPadに関するものですが、その中の1つにライトフィールド技術を用いたARに関するものがあり、それは同社のビデオ通話アプリ『FaceTime』に実装されるかもしれません。
ライトフィールド技術を活かしたAR機能
この特許はライトフィールド技術に関するものです。ライトフィールド技術とは写真を撮る際、望んだ箇所にピントを合わせることができる技術で、VR空間に奥行きをもたらしたり、ARによって現実世界に重ね合わさった3Dデータに遠近感を出すことが可能で、様々な研究がなされています。
ライトフィールド技術はiPhone 7 Plusにも採用されており、同デバイスの2つのカメラによって被写体だけをくっきり写し、背景をぼかすなどといったエフェクトが可能です。この特許はアップルによる技術の所有権の保証と他のハードウェアへの転用、特にビデオ通話での使用を保証するものです。
ARによってビデオ通話が変わる?
アップルはライトフィールド技術を用いてさらに進んだ機能を開発することが考えられます。たとえばiPhoneの1つめのカメラで被写体のクローズアップを撮ったまま、2つめのカメラで背景を写してそこにARデータを重ね合わせたり、もしくは背景をまったく別のものに変える、といったことが可能になるかもしれません。
この技術がビデオ通話アプリに実装されると、『ポケモンGO』のようにオブジェクトがiPhoneのカメラ視点に表示されます。たとえばカフェで友人と通話する際、通話している相手がテーブルの向かい側の席に座って話している姿がAR表示されるかもしれません。それはチャットウインドウの中に表示された画像を見ながら話すよりも体験的なやり取りが可能になります。
今後、様々な領域にARが浸透することが考えられます。最初はスマートフォンやタブレットをプラットフォームとして発展していくでしょうが、対象物の背景を簡単に変更できたり、遠距離にいる通話者がまるで目の前にいるかのように表示できる技術は、ARをより面白く、便利にします。
(参考)
UploadVR / New Published Patent For Apple Could Bring Light Field AR To Facetime(英語)
https://uploadvr.com/patent-apple-light-field-ar-facetime/
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