チームでの意思疎通を円滑にするために 企業研修でVR×ボードゲーム『アニュビスの仮面』導入

株式会社ORATTAにて、VRボードゲーム『アニュビスの仮面』を用いたVR研修が行われました。

『アニュビスの仮面』は、2016年4月にギフトテンインダストリ株式会社より発売された、2人~7人で遊ぶ協力型のVRボードゲームです。VRを使ったゲームですが、スマートフォンの専用アプリをインストールして遊ぶことができます。今回は、その『アニュビスの仮面』を研修用にアレンジしたバージョンが用いられました。

このゲームは、VRゴーグルを付けたプレイヤーが、迷宮の様子を周りのプレイヤーに伝えながら、ピラミッド内部の地図を作り、ピラミッドの奥に眠る宝までのルートを完成させるゲームとなっています。VRゴーグルを付けた人が見ている景色を、VRゴーグルを付けていない人に口のみで説明しないといけない部分に難しさがあります。


『アニュビスの仮面』を用いた企業研修プログラム


今回行われた企業研修プログラムは、“チームが最大の成果を出すために欠かせない、目的と目標、役割と責任、プロセスの重要性の理解する”ことを目的としています。また、プログラムを通じて、チームが持つ目的の明文化や共有することの重要性を理解したり、目標達成のためのプロセスをどのようにして構築すれば良いかについても学べるようになっていました。

プログラムのタイムラインは、最初にプログラムの目的とアニュビスの仮面についての説明があった後、アニュビスの仮面を使ったゲームを行います。ゲーム終了後には振り返りタイムが設けられ、全体で約3時間のプログラムです。今回のプログラムでは、ゲームと振り返りタイムを2回繰り返し、1回目のゲームの反省点を2回目のゲームに、2回目のゲームを自分の仕事に反映させていくシステムでした。

1ゲームは45分間。ゲームの初めにはチームで作戦を立てる時間を設け、役割分担やチーム目標などを設定。ゲームをより効率よくクリアするための作戦を立てていました。

ゲーム終了後の振り返りタイムでは、まず各自が“目標達成”“役割と責任”“活動プロセス”という3つの視点から、自分やチームの行動に対しての4段階評価の振り返りと、ゲームで上手くいったこと/いかなかったこと、今後の仕事に向けてどのようなことを意識するのか等について自由筆記で振り返りを行いました。

その後、チームで各自が感じたことや気付いたことを紹介し合い、全体で今回の企業研修プログラムを運営するテクノ株式会社より改善点のアドバイスがありました。

実際に行われた気付きとしては、
・「自分視点で物事の説明をしてしまっており、相手に理解してもらえるような説明を行う必要があった」
・「チーム内でのルールを統一する必要がある」
・「どんな役割が必要かわからないままゲームを進めてしまっていた、最初に役割分担についてもっと比重を置く必要があった」
などが挙げられていました。


参加者の声

今回の研修の参加者に話をきいたところ、
「聞き手に対して、優先度の高い内容をいかにして伝えるのか。また必要な情報を漏れなく伝えることができるのか、ゲームを用いているためわかりやすく理解できた」
などの声が寄せられています。

VRという特徴に関しては、VR体験者が見ている情報をいかにチームのメンバーと共有を行っていくのかが鍵となっていました。実際に参加された参加者からも、その難しさや普段では気付けなかったことに対する気付きについて語ってくれています。

一方、VRならではの悩みとして、VR内の操作方法を参加者に共有することが難しく、参加者全員にレクチャーを行う場合、ゲームが始まる前のインストラクションにかなりの時間を割いてしまうという課題も挙げられました。


『アニュビスの仮面』を企業研修プログラムで用いる意義


写真左:ギフトテンインダストリ株式会社 濱田氏
写真中央:テクノファイブ株式会社 谷氏
写真右:テクノファイブ株式会社 妙中氏

対人能力育成やIT技術教育を行っているテクノファイブ株式会社は、『アニュビスの仮面』を使った企業向けの研修プログラムを提供しています。一昨年前の『アニュビスの仮面』の先行リリースを見つけ、企業のコミュニケーション向上に役立つツールになると考え、『アニュビスの仮面』を制作したギフトテンインダストリ株式会社に連絡を取ったところが始まりとのこと。

今までの企業研修プログラムでは、座学や模擬体験を主として行っていたそうですが、研修をゲームにすることで実際に成果が目で見てわかる、体感できるという点に魅力があるとテクノファイブ株式会社の妙中氏は言います。

今回使われた『アニュビスの仮面』では、VRゴーグルを付けている人がVRゴーグルを付けていない人たちに対して、どのように自分が見えているのかを口だけで説明しないといけません。このゲームの難しい一例として、単に「あっちに…」や「右に…」と言っても、VRゴーグルを付けた人がどこを指しているのかわからず、そもそもどこにいる状態で説明を行っているのかがわからないため、VRゴーグルを付けていない人は理解することでき来ません。

共通言語やチームでの共通ルールの設定等をしていても、どこかでVRゴーグルを付けている人とVRゴーグルを付けていない人とでは認識のずれが発生してしまいます。そのような時に、どのような対処を行うことができるかがこのゲームの一つの鍵となっており、これは実社会においても頻繁に発生することです。これをゲームとして体感でき、なおかつゲーム終了時に、改善すべき点が明確にゲームの状態として残っている点が、この『アニュビスの仮面』の魅力だと妙中氏は言います。

また『アニュビスの仮面』では、毎回ステージをランダムに生成でき何回も使用できる点や、スマートフォンを用いたVRコンテンツなので、手軽に持ち運びや利用出来る点も良く、今後は社内向け教育コンテンツとしての販売も視野に入れて開発を行っているとのこと。

チームでの役割分担の振り方やチームが達成すべき目標の明文化、優先順位等、プロジェクトの開始時にあやふやな状態で始まってしまうことがありますが、今回の研修を通して、その重要さやチームで連携を取ることの難しさについて体感することが出来ます。
チームとして自分がどうするべきなのか、自分がチームのメンバーとどのようにして関わっていくべきなのかについて考えるプログラムでした。

 『アニュビスの仮面』に関するお問合せ:
   ギフトテンインダストリ株式会社
    https://gift10industry.myshopify.com/pages/contact-us

 VRを用いた研修に関するお問合せ:
    テクノファイブ株式会社
    http://www.techno5.co.jp/?page_id=52

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この記事を書いた人

  • Shunri

    慶應義塾大学在学中の4年生。大学では経済、プログラミング、ビジネス、サービスデザインを中心に学んでいます。思い立ったが吉日!ってな感じで、水泳、サッカー、フットサル、将棋、ボードゲーム、ポーカー、自作パソコン、カメラ、アニメ…今はもちろん”VR”!広く深くを目指して‼

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