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活用事例 2017.09.29

映画館に全身VR体験 米で映画館大手がVR企業と提携

映画館を米国とヨーロッパで展開する大手AMCと、ロケーションベースVRコンテンツ(施設等で体験するVRコンテンツのこと)を開発するDreamscape Immersiveが提携しました。これにより、米国とヨーロッパでAMCが展開する映画館計6箇所で、VRコンテンツが体験可能になります。同社はゲームと映画を融合した新感覚のロケーションベースのVR体験を提供していく、としています。アミューズメント施設としての映画館の幅がVRで広がっていく流れが加速しそうです。

Dreamscape Immersiveが開発するVR体験

Dreamscape Immersiveはアリーナ向けのロケーションベースのVRコンテンツを開発しています。これはThe VOIDIMAX VRといったVR体験施設で体験できるコンテンツと同様、ヘッドマウントディスプレイとバックパックPCを装着して体験します。広い空間を自由に動き回ることが可能です。

他社のロケーションベースのVRコンテンツがアクションベースのゲーム的要素を重視しているのに対して、Dreamscape ImmersiveのVR体験では映画的な要素を盛り込んだ、ストーリー重視のVR体験を開発しています。多人数での同時体験が可能で、一度に2人〜6人までが参加できます。

参加者は手と足にセンサーを装着することでフルボディのトラッキングが可能になり、バーチャル空間内のアバターに動きが反映されます。本VR体験の早期レビューによると、体験中に遅延はほとんど発生せず、きわめて正確な位置トラッキングが可能とのことです。バーチャル空間内で他のプレイヤーにものを投げるなどの様々なアクションが可能とのことで、16フィート x  16フィート(4.9メートル x 4.9メートル)の空間でプレイします。

バーチャル空間での体験をよりリアルなものにするために、ファンを用いて風を再現したり、香りの再現も可能とのことです。松明のようなトラッキング可能な小道具も登場します。

22億円の資金を調達

Dreamscape Immersiveは9月26日にAMC主導でシリーズBの資金調達を行なっており、2,000万ドル(約22億円)の資金を調達しています。同社は過去には映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏やワーナー・ブラザーズ、MGMやIMAX、21st Century Foxからも出資を受けています。

また、コンテンツ開発にも複数の企業やクリエイターのサポートを受けており、AMCをはじめスピルバーグ氏も開発をサポートしています。この他にもプロデューサーのウォルター・パークス氏や映画音楽作曲家として有名なハンス・ジマー氏も含まれます。

米国とヨーロッパで展開予定

Dreamscape ImmersiveのVR体験は米国とイギリスの2ヶ国、計6箇所で導入を予定しています。現在のところロサンゼルスのWestfield Centry City Mallで2018年にオープンする予定です。2018年から1年半の間にかけて他の5箇所にも展開する予定です。AMCが運営する映画館、もしくは同社の関連施設での展開を予定しています。

(参考)
VRScout / AMC Theaters Buys Into VR With Dreamscape Immersive Deal(英語)
https://vrscout.com/news/dreamscape-immersive-amc-theaters-vr/

UploadVR / Dreamscape Immersive Secures $20M AMC-Led Series B For Movie Theater VR(英語)
https://uploadvr.com/dreamscape-immersive-gets-20m-series-b-movie-theater-vr/

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