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活用事例 2018.03.15

Adobe、ARにも参入 関連製品を「可能な限り早く」リリースへ

「Photoshop(フォトショップ)」や「InDesign(インデザイン)」など、クリエイティブソフトウェアを提供するAdobe(アドビ)のAR/VRへの取り組みが注目されています。

ARはヘッドセットやデバイス越しに、ユーザー周辺の現実空間に3Dモデルや2D画像を映し出すことができます。VRではユーザーを現実世界から切り離し、アプリケーションや映画などのVRコンテンツへの没入体験を与えることができます。

ARへの強い関心

米メディアVRSscoutのインタビューにて、経営企画のディレクターを努めるMark Asher氏は、ARはAdobeにとっての「次なる大きな一歩」であり、同社のAR関連製品を「可能な限り早く市場へ出すことを予定している」と話しています。

Asher氏はVRよりもARに将来性を見出しており、同氏は「360度動画とVR、ARの中で、ARにはとても大きな機会があると考えています。ARは現実世界とバーチャル世界のハイブリッドです」と述べています。

また同氏は「私たちは、とある製品を可能な限り早く市場に出せるように取り組んでいます。今は楽しみにしていてください、ということだけしかお伝えできません。かならず市場へ参入します」と語ります。

Adobeは写真や映像、オーディオなどの編集ソフトのクリエイティブプラットフォーム「Adobe Creative Cloud」を提供しています。同氏のインタビューでは詳細までは述べられていませんでしたが、Adobeは3DのAR映像を作成・編集できるソフトウェアを提供するのではないかと期待されています。



アップルやマイクロソフトらも取り組むAR

大企業のARへの取り組みが次々と発表されています。2017年、アップルのCEOティム・クック氏は「ARは全てを変えていくだろう」と発言し、同社が手がけるiPhoneを「さらに重要なものとする」と述べました。また、マイクロソフトはVRやAR、MR(複合現実)に向けてのコンピューティング改革を行っています。

AdobeはマイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」向けアプリで、AR市場への参入を発表しました。このアプリでは店舗内にある製品に3Dデータを重ね合わせ、HoloLensを装着した店員は「何が・どのように売られているか」などの情報を知ることができます。

VRにも取り組むAdobe、コンテンツ作成・編集分野を狙う

AdobeはVRへの取り組みも行っています。2017年には映像編集ソフト「Premiere Pro CC」に360度動画の編集機能を追加しています。

幅広い消費者へのVRの普及が比較的ゆるやかであるにも関わらず、広告主や企業による360度動画やVRコンテンツ製作は増加しています。2017年に73億ドル(約7,700億円)の売上高を記録したAdobeは、VRツールを提供する機会を獲得しました。

Asher氏は「Adobeがこの領域に参入する資格は十分にあります。Adobeを使うプロのクリエイターたちは、コンテンツ製作を始めるためのツールとベストプラクティスを心待ちにしています」とコメントしています。

同社はすでにいくつかの実験的なVRプロジェクトをスタートしており、2017年10月には360動画に音を空間的に配置する機能「SonicScape」を発表しました。

また、Googleの『Tilt Brush』を使ったAdobeのVRペイントツール「Project Dali」 も発表
しています。

「新しい市場にどうやって参加したらいいのか、どこから始めたらいいのか考えている人たちは、未だに多くいるように思います。Adobeは、そういった人たちが新しい領域へいきなり飛び込むのではなく、ゆっくりと段階的に始められるような方法を提供していきます」とAsher氏はコメントしました。

(参考)VRScoutAdobe 公式サイト

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